闇に溢れる

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山でいつもと同じようにお友達と遊んでいるとき、気づいたらまわりが濃い霧に包まれていて、すごく暗いんだけど明かりがあるのか真っ暗ではなかったの。目の前には階段があってね。霧も濃いし、どこに行けばいいかも分からないから、とりあえず見えてる階段を登っていったの。転ばないようにちゃんと足元を見てね。登っていくと霧はだんだん晴れていって、階段の両端に青い炎がずらーっと並んでるのが分かったの。こんなところ聞いたこともないし、わたしが最初に見つけたんだって思って、鬼火通りって名前をつけたの。わたしはいい呼び名だと思って気に入ってるんだけど。ああ、話がそれちゃったね。階段のずっと上の方を見ると橙色の光が見えて、にぎやかな声が聞こえてきて、わくわくしながら登っていくと、お祭りが開かれてたんだけど変だったのよ。そこで賑わってる人たちはみんな今まで見たことのない形をしてるの。黒いぼんやりした影の塊みたいなのが浴衣を着ていたり、普通の女の人かと思ったら下半身が蛇だったりね。だけど不思議と怖くはなかったの。 そうして立ち止まってたら、浴衣を着た狐が話しかけてきて、案内をしながらいろんなこと教えてくれたの。とっても楽しかったけど、楽しい時間ははやく過ぎるものよね。あっという間にお祭りが終わる時間になってねぇ。帰りも、その狐さんが案内してくれて帰ってきたんだけれど。
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