不良くんは一途に愛し続ける

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 蒼汰は怪訝そうな顔でクッキーを咀嚼する。誰のせいだと思っているのだろうか。  確かに告白まがいを流している。しかし決してはっきり伝えられたわけではない。いや公言したが、白雪に向かってではない。それで返事を求められても困るのが本音だ。  蒼汰が白雪をすき――噂が嘘だと逃げるつもりはないが、この状況に悩んでいるのは白雪も同じであった。せめてよくある告白みたいなことがあれば返事がしやすいが、完全にタイミングを逃した。……自分から言う勇気が必要なのか。  紅茶を両手で包み口をつける。砂糖のほどよい甘さと紅茶の優しい味。温かさで胃の中に流して、ほっと息をついた。蒼汰の痛いほどの視線を感じつつ目を閉じる。  二人の様子を見比べていた彩音が、ぽつりと。あきれたように呟いた。 「じれったい。そろそろ付き合えば? イライラする」 「おーおーもっと言ってやってくれ。明らかな態度なくせに逃げるの。小悪魔じゃん。男を手のひらで転がすとか……男慣れしてる? は? 元カレ? 殺すわ」 「急にバーサーカーになるじゃん。嫉妬心がつよ」 「俺だけのものでいい」
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