二章

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「ああ!違いますよ、それは冗談!」 「冗談?」 「そうです、体を拭いたのは私ではございません。別のあやかしが着替えをしたと聞いていますよ」 結が慌てた様子でそう言った。 いったい何故そんな嘘をついたのか、どうして宵が怒っているのかちっともわからない。 「本当だな?」 「本当ですよ、他のあやかしに訊けばわかりますって」 「ならいいが…それよりも何故お前が俺より先に小春を見に来ているんだ」 「だって、見てみたいじゃないですか。宵様がこんなにも気に掛ける女性がどんな人なのか」宵はふいっと結から視線を逸らした。 首を傾げる小春に宵は言った。 「結は女じゃない。男だ」 「ええっ…」 「さっきも言ったでしょう?私、あやかしだから化けることが出来るのよ。言っておくけどこれみんなできるわけじゃないからね」 「そう…ですか」 誇らしそうにそう言った結が可愛く見える。 確かに中性的な顔立ちだとは思ったが、どうみても女だ。元の姿を知りたいと思ってしまう。
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