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カンさん
その夜、警察署。
アンジェラとボクはカンさんに会うため訪れた。本当に刑事なのか、怪しいが。
「あ、カンさん。玄関にお嬢さんが待っているそうです」
女性の警察官が乾刑事に面会を伝えた。
「え、お嬢さん。おいおい、何言ってるんだ。俺は独身だぜ。お嬢さんなんて居ないよ」
大げさにジェスチャーをし部署を離れた。だが薄々、誰が面会に来たのか感づいていたようだ。
階段を降りると先にボクたちが声を掛けた。
「どうも、こんばんわ。カンさん。マジで刑事だったんですねェ!」
ボクは拳を差し出しグータッチを求めた。
「フフゥン、当たり前だろう」
乾さんも照れたようにグータッチに応じた。
「こんばんは」
隣りのアンジェラが会釈をした。
「フフゥン、なるほどね。お嬢さんか?」
「警察病院で、当真さんと話して来ました」
アンジェラは愛想笑いをした。
「ほォ、当真ねえェ。どうだった。元気だったか?」
「ええッよくご存知でしょ。当真マリアさんの弟さんですから」
アンジェラはニコニコと微笑んだ。
「フフゥン、もうそこまでわかっているのか。やるねェ。お嬢ちゃん。さすがデカ天使だ!」
不敵に笑みを浮かべヤブ睨みだ。
「カンさんはご存知だったんですか。あの逃亡犯がマリアさんを轢き逃げした阿久堂だったって事を」
「ンうゥ、さァな」
「阿久堂はかつてレッドスパイダーの創設メンバーでした」
「ああァ、らしいな」
「そして阿久堂は鬼飼兄弟や蛸島たちとツルんで脱法ハーブの売買をしていたんです。数十億の売上があったとされています。しかもその罪をメンバーの石津祐次郎さん一人に背負わせ、自殺に見せかけて殺したんです」
「ああァさすがデカ天使だ。もうそこまで調べたのか?」
「ええ、すべての謎はデカ天使アンジェラに解かれたがっているですから」
クルクルとダンスを舞って決めポーズを取った。
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