(三人称)

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(三人称)

「まァビジュアルはしょうがないけどねえェッ」  武智みなみはおどけて肩をすくめた。 「あのねェ、しょうがないって」  思わずヒカルも苦笑した。 「ほらァだって美少女アイドルのシャーロットの事が好きなのにカッコつけてウジウジして全然、告白出来ないとことか、ヒカル先生にそっくりじゃん」 「フフ、まァ性格(キャラクター)はオレのまんまだけどねえェ」 「いやァこれで連載の目処(めど)は付きましたから。早く連載用の原作(シナリオ)を仕上げてくださいよ。先生!」  編集の平瀬はヒカルを()かせた。 「ええッわかってますよ。これで、やっと好きなミステリーで勝負できるんだからね。もう言い訳はできないよ」 「それから早くイズミ先生にプロポーズしなきゃァ、誰かに先を越されたら後悔しますよ」  武智みなみは茶化すように笑った。 「もう、武みなちゃん」  イズミは恥ずかしくて顔が真っ赤になった。 「おいおい、またみんなの前で公開プロポーズをしろって言うのか。勘弁してくれよォ」  ヒカルも泣きごとを言った。 「フフゥン、逃げるんですか。ヒカル先生?」  平瀬も追い打ちをかけた。 「別に逃げるわけじゃないけど。これだけはイズミに言っておくよ」 「え、何よ。改まって?」 「イズミの事はずっと大切に思っていたよ。これからもずっとその想いに変わりはない。誰よりもイズミの事を大切に思っているから」 「フフゥン、ありがとう。ヒカル」 「えッえェ、何それ。それって告白(コク)ってるのォ?」  また武智みなみがおどけて笑った。 「さァねえェ?」平瀬も肩をすくめた。 「ハッハハッ……」  スタジオじゅうが笑いに包まれた。
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