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アンジェラ
さすがに墓地なので、アンジェラは割りとおとなしくダンスを舞って決め台詞を言った。
「この世にうごめくすべての謎はデカ天使アンジェラに解かれたがっているの」
決めポーズをし、マリリンを指差した。
「くうゥッ、なんのこと?」
マリリンは墓石に手を合わせたまま両目を閉じて瞑想していた。
「あれからもう三ヶ月も経つんですね。早いものです」
ヒカルも目を閉じて合掌し拝んだ。
「……」アンジェラとボクも黙祷し手を合わせた。
頬を撫でる風が涼やかだ。しばらく黙って参拝した。やがてヒカルが声をかけた。
「マリリンさん」
「……」彼女は黙って聞いていた。
「あなたが鬼飼たちを唆して、あのペンションへ誘い出したんですね」
「えッ、私がですか。なにを言っているの?」
マリリンは、かすかに首を横に振ってみせた。
「あの時、言ってましたよね。天空温泉で撮影すると」
アンジェラの記憶は絶対だ。間違いないだろう。
「なんのことでしょうか?」
「とぼけないで。二年前、当真マリアさんとその娘さん、美月ちゃんがレッドスパイダーの阿久堂不比等の運転する車に轢き逃げされ亡くなりました」
「……」マリリンは無言で当真家の墓石を見つめていた。
「ですが、美月ちゃんの本当のお母さんは……、あなたなんですね。マリリンさん!」
アンジェラが神妙な顔で伝えた。
「えッ?」
マジか。初めて聞いたボクも驚いて目を丸くした。
今までずっと当真マリアの子供だと思っていた。
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