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「ただいま戻りました!」
「お帰りなさい!」
ようやく最後に帰って来たのは、
片瀬 理玖こちらも同期の27歳
同期の中でも飛び抜けて大出世した敏腕課長だ。
「お疲れ様〜! 良かった〜はい、給料明細!」
「おお、サンキュー!」
「良かった! もう帰れる〜」
「帰るの? 今から花火上がるんだろ?」
「うん、だから少しでも近くで観たいのよ」
「え? 屋上が1番良く見えるんじゃね〜か?」
「そうなの?」
「上がってみるか?」
「うん! いいの?」
「おお! 特別だ」
同期の友達たちは、早くから屋台に行ってしまったので、すでに盛り上がっているだろう。間に合わないかもしれないから断っていたのだ。だから、1人でウロウロしようと思っていた。
片瀬に促されて屋上へ。
屋上のドアには、通常、鍵がかかっていて、課長クラス以上の役職しか鍵を持っていないのだ。
「うわ〜すご〜い! 久しぶり! こっちの方向だよね? 遮る物が何もないから綺麗に観えるだろうね」
「うん、あと30分で始まるぞ」
「ココで観ても良い?」
「おお、じゃあビールでも買いに行くか」
「うん、やった〜!」
ーー片瀬も一緒に観てくれるんだ
そして、オフィスへ降りると、皆んな帰ったようで、橋上のデスクにだけ鞄が置いてあった。
「あれ? 皆んな帰っちゃったのかなあ?」
「橋上だけは、居るんじゃないか? トイレだろう」
「じゃあ、ビール買いに行こう!」
「おお」
7階のオフィスからエレベーターで降りて、隣りの建物の1階にあるコンビニに入った。
さすがに久しぶりの花火大会とあって、ビールの売れ行きは素晴らしい!
当然、自社ビールや酎ハイを購入し、おつまみも買う。片瀬が支払ってくれた。
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