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 でも。参拝者は確かに少ないのかもしれない。それでも、あの女性のようにウタに心から感謝している人もいるんじゃないか。  そっけない自分にもいつだって優しく、笑顔で接してくれたウタ。 「・・・・・・葵くん」  ぼんやりと、拝殿の階段に座り、境内を眺めていた葵にかかる声。  聞こえた声にハッとして顔を上げるとそこには、ウタの姿。 「ウタ!」  葵は立ち上がり、ウタに駆け寄るとその身体を強く抱きしめた。 「あ、葵くん・・・・・・?」 「ばかやろう! お前・・・・・・、お前・・・・・・、自分犠牲になるならそう言えよ! もう目を覚まさないかって・・・・・・」 「ごめんなさい・・・・・・」  ウタの戸惑ったような声が聞こえる。葵の腕の中で、ウタは身動ぎもせずじっとしていた。 「俺のが、ごめん。・・・・・・俺、何も知らなくて。自分の想い押し付けて、お前の気持ち利用したって言われても仕方ない」 「誰がそんなこと言ったの・・・・・・。ぼく、利用されたなんて思ってないよ。ぼくが葵くんを助けたいって思ったんだ」 「自分が消えてもか? そんなの・・・・・・俺、嬉しくねぇよ」  とんでもない後悔をするところだった。
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