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「あの・・・・・・、お祖父様は・・・・・・?」 「ちゃんと、送った。・・・・・・でも、ウタのおかげで、ちゃんとお別れできた。ありがとな」  本当に、ウタのおかげだ。きっとウタがいなければ、伝えられないまま後悔だけが残っただろう。最後に、自分の思いをきちんと伝えられたことで、葵の心は随分と救われた。  こうして、前を向くことができたのだ。 「葵くん、ウタって・・・・・・」 「ああ・・・・・・、ダメか?」 「だ、ダメじゃない!」  慌てたように食い気味に反論するウタに葵はなんだか心が締め付けられるような高鳴るような感情を覚えた。
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