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8
目を覚ましてから、葵の様子が変わった。ウタを、“ウタ”と呼ぶようになったり、ウタを見る眼差しが暖かだったり。
「おはよう」
「あ、おはよう、葵くん」
「いっつもそこにいるのな」
鳥居のそばで通路を眺めながら葵が来るのを待っていたウタに、葵は微笑みながら言った。
あの日から、こうして時折笑ってくれるようにもなった。
なにか、葵の中で心境の変化があったのだろうか。祖父が亡くなり、悲しみの中にいると思っていた葵だが、少しスッキリしたような様子も見られる。
不思議に思うウタだが、それでも、葵が前向きになれたのならよかったと思う。
「そろそろ葵くんがくる頃だと思って」
「ああ、そう。身体の調子は」
「え、あ。元気だよ! 葵くんのおかげだね」
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