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「お前、今でも俺のこと好き?」 「えっ、あ、もちろん! ぼくは、ずっと葵くんが好きだよ」  葵の疑問にすぐにそう答えると、葵は吹き出すように笑った。そんな笑顔を見せてくれるようになったことが感慨深くてたまらない。 「そういう真っ直ぐなの・・・・・・、なんで今までスルーできてたんだろうな」 「へ?」 「どっか、室内に入れねぇの」 「え、あ、うん、いいよ」  不思議に思いながら葵を拝殿の裏にあるウタやヤト達の過ごしている平家建ての中へと案内した。  神であるウタや、神使であるヤト達は人間のように食事は摂れないわけではないが摂る必要はない。だが、睡眠だけは力を必要以上に消費しないためにも必要だ。だから、そのための人間でいう家のようなものがある。  人間の家と違うのは、ただ眠れるだけの家で、キッチンなど人間の家にあるようなものはないのだが。
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