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 ウタが目を覚ますと、そこは拝殿の中だった。 「あれ・・・・・・、ぼく・・・・・・」 「ウタさまっ!」 「ウタさま」  心配そうな顔が二つ覗く。ミトはポロポロと涙を流していた。ヤトも不安そうな顔をしている。心配をかけてしまったようだった。 「ごめんね・・・・・・」 「ウタさまのばか! 無茶苦茶すぎます! 力使った後に、あんな・・・・・・」 「うん・・・・・・」  ミトが泣きながら叫ぶ。我ながら無茶をしたと思う。でも、どうしても言葉を交わしたかったのだ。彼の目に映りたかったのだ。 「どうして、あんなにあの人間に拘るのですか」 「そうですよ。あの人間、せっかくウタさまが話しかけたのに、あんな冷たい態度」 「葵くんは、本当はもっと優しい人なんだよ」  そう。彼はもっと優しく柔らかに笑う子だった。
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