4/14
前へ
/161ページ
次へ
「ぼく、なんだか夢みたいだ」 「ん?」 「ずっと、ずっと、葵くんとまたこんなふうにおしゃべりしたり、一緒にいたいって思ってたから」  だから今が、とても幸せ。そう思ってニコニコしていると、葵がウタの身体を引き寄せる。 「覚えてなくて、感じ悪い態度で・・・・・・ごめん」 「ううん」 「親のことは、どうでもいいって思てたんだけど・・・・・・ばあちゃんのことが、ずっと引っかかってて。でも、親のことも、どこかで気にしてたのかもな」 「葵くんを大事にしない人のことなんて、考えなくても良いよ。でも、人は親を関係ないって割り切るのって難しいのかな。親子関係のこと、ぼくはわからないから・・・・・・」  理解しようと思うけれど、やはり完璧に理解することは難しいだろう。  ウタの神社に、参拝する親の立場の人も、子どものことを心から心配し愛している人もいる。でも、そうじゃない人もいるのだ。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

271人が本棚に入れています
本棚に追加