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「じいちゃんの葬式の時、久しぶりに父親に会ったんだ」
「え、そうなの?」
「ああ。でも、なんとも思わなかった。ほとんど会話もなかったしな」
「大丈夫だった?」
「ああ。あんな奴に囚われてた自分が、バカみたいだった」
すっきりした顔を見て、ホッとする。
「ぼくがいるよ」
「心強いな」
だからと言って、まるっきり平気なわけではないだろう。おじいさんが亡くなって、葵はおじいさんの家を譲り受け、そこで一人で暮らしているらしい。いつも二人で暮らしていた家で一人で暮らす寂しさはやはりあるだろう。そんな時、隣にいて支えになれたらと思う。
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