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「お祖父様、こんばんは」  おじいさんの祭壇に挨拶をする。祭壇にはおじいさんの笑顔の写真が飾られている。とても良い写真だ。 「ご飯作ってくるからちょっと待ってて」 「あ、お手伝い・・・・・・」 「できんの?」 「え・・・・・・と、お願いします」  料理なんてもちろんこれまで一度もしたことはない。手伝うと言いつつ足手まといになるのが目に見えている。 「まぁ、手伝いはまたの機会で。今日は俺がご馳走する」  そう言って葵は笑う。葵の笑顔を見るたび、胸がキュンと嬉しく弾む。 「お祖父様、見ました? 葵くんの笑顔」  ウタはそう言って写真のおじいさんに報告をする。
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