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 デート当日。葵が用意してくれた洋服を身につけ、人型をとった葵は、神社の前で葵を待っていた。  ヤトとミトに神社を託すと、少し不満そうではあったが、送り出してくれた。  二人は、相変わらず葵を完全に快く思ってはいないようだが、葵が神社に人を集めてくれたこともあり多少の恩義は感じているらしい。 「ウタ!」  葵が手を振りながら小走りでやってくる。ウタも同じように手を振って返す。 「お待たせ」 「おはよう」 「おはよ。行こっか」  葵が歩き出すのに合わせ歩き出す。 「服、似合ってる」 「あ、ありがとう。葵くんが選んでくれたのだから」 「まぁ、流石に着物は目立つしな」  葵は少し照れたようにそう言った。
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