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「ウタ・・・・・・、ウタを、俺のものにしたい」 「・・・・・・え・・・・・・葵くんの・・・・・・?」  唇を離すと、ウタはトロンとした表情で葵を見た。その顔が堪らなく可愛い。  人の営みについて、ウタは疎い。恋人同士の深い交わりについても知らないだろう。  だから、ゆっくりと進めるつもりだった。それに、もしそういうことができずともいいとも思っていた。ただ今は、ウタといられるだけで幸せだったから。 「優しくする」 「葵くんがしてくれることなら、怖いことなんてないよ」  その決意が崩壊したのは、可愛いウタが悪いよな。
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