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「あ、あおいく・・・・・・、だめ・・・・・・」 「ん? なんで?」 「変・・・・・・、なんか、変だよ・・・・・・」  ウルウルと瞳を潤ませて見上げる破壊力のある可愛さに眉を寄せる。感情のまま組み敷いてしまいたくなる。そんな湧き上がる感情を抑えながら優しく触れていく。 「ウタ・・・・・・。俺と、一つになろう」 「一つ・・・・・・?」 「愛し合う二人が、愛を伝え合う行為だよ」  ウタは、きっと全てが初めてだろう。だからこそ優しく、ゆっくり進めていきたい。  ウタに神社であんな風に言われて、思わず家に連れ込み押し倒しているのだから、説得力はない。 「葵くん、ぼくに忘れられようとしたのに」 「ごめんって・・・・・・」 「ぼくの気持ち、疑った」 「・・・・・・ごめん」  目の横を重力に従い流れていく涙をキスで拭う。
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