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「葵くんが、ぼくといることは、この神社にとってもいいことばかりだと思います!」 「今はいい。姿に差のない今は。これから先、お前たちは変わっていく。それでも、本当にいいのか。今、別れていた方が、悲しみは少ないのではないのか」  そのことも、もう答えは出ている。 「一緒にいられるギリギリまで一緒にいたい。もし、いつか葵くんがいない世界が来るとしても。その時に、葵くんとの思い出を糧に生きていけるように」 「・・・・・・そうか」 「身勝手ですみません。特別な人間を作るなんて、神として失格です」 「人を愛する。ウタは、ただ一人だけを愛しているわけではないだろう。皆のことを愛している。その愛の形が、違う人間がいるだけだ」  そう言ってテンは笑った。慈愛に満ちた笑顔。そんな顔は、初めてだった。
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