272人が本棚に入れています
本棚に追加
「姿は、若い頃に戻れるのか?」
葵がまず気になったのはそこだった。ウタはあの頃と変わらず、可愛らしい綺麗なウタのまま。葵はしわも増え衰えた姿。できるならば、釣り合いの取れる若い姿になりたかった。
その不安は杞憂で、神として生まれた葵は、ウタと初めて出会った頃のように子どもの姿で生まれた。そして数年をかけて今の大人の姿に成長したのだ。
ウタは、子どもになった葵を可愛い可愛いと可愛がり、心は大人の葵はなんともいえない気持ちになったが、ウタが楽しそうだから好きにさせた。
そうしてまた永い時を共に過ごし、こうして立派に神として共にこの神社を切り盛りしている。
最初のコメントを投稿しよう!