epilogue

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「葵くんも、もう立派な神様だね」 「なんせ、縁結びの神様だからな」  元人間だった葵と、人間の葵を愛したウタ。二人は人の気持ちがよくわかる。だからこそ、人の願いに寄り添うことができる。  その二人の思いが、人々にどのような形であれ伝わり、今の評判へとつながっている。 「でも、俺もその狐耳欲しかったな」 「え、そうなの?」 「なんて。ウタのを触るからいいけど」 「きゃはっ、くすぐったいって」  言いながらウタの耳をモフモフと触るとくすぐったそうに楽しげに笑うウタ。  じゃれつきながらウタに覆いかぶさると、吸い寄せられるように唇を重ねた。 「ずっと一緒にいような」 「うん」  二人が幸せでいること。それがきっと、ここを訪れる人を幸せにするのだ。 END
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