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「ぼくは、葵が好きだよ! 葵のこと、大好きだよ!」 「嘘だ! お前だって、いつか俺のことなんかいらなくなるんだ。離れたら、どうせ俺のことなんか、忘れるんだ」  なにがそんなに、葵を苦しめているんだろう。ウタはわからなかったが、ただ自分の思いを伝えるしかなかった。 「忘れない。いらなくなんかならない。ずっとずっと、葵が好き」 「神様に誓えるのかよ。ここは神社だからな。嘘ついたら神様怒るんだからな!」 「うん。神様に誓うよ。不安なら、葵、神様にお祈りして。ウタがいつまでも葵のことを好きでいますようにって」  そうすれば、ぼくが、その願いを聞き届けるからーー。そんな思いで訴えていた。  葵は涙を乱暴に拭うと、拝殿に向かって手を合わせ叫んだ。 「神様! ウタがずっと俺のこと忘れず好きでいさせて! 俺を、一人にしないって言って!」  そう叫ぶと、また葵は大きな声をあげ泣きじゃくった。 「その願い、聞き届けました」  そんな葵に、ウタはそう呟いた。
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