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 思わず人型をとり、姿を現してしまったウタだったが、拒まれなくてよかったと思いながら、自分の社で怪我をしてしまったことに青ざめる。 「ごめんなさい。ごめんなさい。怪我を・・・・・・」 「は? なんであんたが。・・・・・・ああ、神主だから責任感じてんのか」  ウタの格好は赤い袴姿で、あの頃と同じようにこの神社の者だと思っているのだろう。間違いではないのだが、まさかウタがここに祀られている神とは思ってはいない。 「ああ、痛いよね・・・・・・。治すから待って」 「治すって」 「じっとしていて」  ウタは葵の手に触れ目を伏せる。力をその手の内に集中させるイメージを浮かべた。その場所は熱く熱を持ち葵は驚いたように腕をひこうとする。それを抑え込みながら最後まで治し切った。
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