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「・・・・・・どうでもいいが。怪我のことは礼を言う。俺は、帰る」 「あ、うん」  座り込んで話していたウタは慌てて立ち上がる。元の姿に戻ったことで多少身体も楽になった。 「あの、また遊びに来てくれない?」 「は?」 「ぼく、葵・・・・・・葵くんと仲良くなりたいんだ」 「なんで俺の名前・・・・・・」 「あ、ほら、ぼく神様だから」  昔のことを忘れている葵。寂しいが、また一から仲良くなりたい。なんとなく呼び捨てるのが憚られ、君付けで呼んでしまう。  神様だからと言ったが、名前が簡単に分かるわけではない。手を合わせ願う際に名前を言ってくれればわかるが、そうでなければ簡単にわかるものではないのだ。だが、咄嗟に誤魔化すようにそう言ってしまった。 「・・・・・・勝手にすれば」  葵はぶっきらぼうにそう言うと踵を返していってしまった。
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