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「ウーター!」 「うわぁっ」  誰か来ないかと、拝殿で通りを眺めていると、突然背後から抱きつくようにして誰かが現れた。  この現れ方は、一人しかいない。 「テンさま」 「おお、声だけで我とわかるか。愛を感じるねぇ」 「こんな風に現れるのは、テンさましかいませんよ」  大きな胸を押しつけウタをぐりぐりと抱き締める。  暫くは離してもらえないことはこれまでで実証済みだ。  暫くされるがままにしていると、ようやく解放され振り向くと、胸を強調する着物姿の長い髪の女性が立っている。
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