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「どうされたんですか、テンさま」 「たまにはウタの顔でも見に来ないとね」 「顔を見に来ただけですか」 「いけないか?」 「いけなくはないですけど」  テンは、全ての神を統べる天界にいる神の一人。つまりは、ウタの上司のようなものだ。 「どうだ。神の仕事は」 「来てくださる方はあまり多くありませんが、一人一人にゆっくり向き合えるので、ぼくには合っている気がします」 「そうか。ウタは一生懸命だからな。だが、あまり一人に入れ込みすぎるのは良くない。十分に気をつけるんだぞ」 「はい」  暗に、葵のことを言われているのだろうことはわかった。テンの仕事は、管轄の神たちの動向を見守り、きちんと神の仕事が滞りなく行えているかを観察することだ。  ウタの葵への行動を知らないはずがなかった。
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