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「そんな風に泣いてくれる貴方のような人が側にいるのなら、心配はいらないね」 「そんな・・・・・・、ぼくは、ぼくは・・・・・・。でも、おじいさんの優しさや想いは、必ず葵くんにも届いていると思います」  だって、あの優しい葵だ。いくら悲しいことに心を閉ざしてしまっていても。与えられる優しさに気づかないわけない。おじいさんが、どれだけ葵を大切に思い育ててきたのか。一番そばで感じてきた葵ならわかっているはずだ。  それは、ウタの期待でしかなかったが、なぜか自信があった。 「おじいさんに愛されて、葵くんはとても幸せです」 「じゃといいのぉ。おっと、そろそろ帰らないと」 「お気をつけて」 「ありがとうね。葵と仲良くしてくれてありがとうね」 「はい」  ああ、葵の優しさは、ここからきているのだ。
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