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「そっか。その子たちとはもっと小さい時から知り合いなの?」 「保育園が一緒だった。同じクラスで、よく遊んでたのに・・・・・・」 「そっかぁ。それじゃあ余計に寂しいね。どうしてそんなこと言うのか、聞いたことある?」  ウタが聞くと、翔は黙ったまま首を横に振る。 「じゃあ、聞いてみたら? なにか理由があるかもしれないよ」 「バカバカしい。言い返してやればいいんだ。いっそのことやり返せ」 「ふふ。それはいいかもしれないよ。人は時に拳でわかりあうんでしょう?」 「・・・・・・お前、そんな知識どこで得たんだ。冗談だろ」 「え、そうなの?」  少し前、珍しく近所の子どもが境内で遊んでいて漫画と言われる本を置いて行ったことがある。その本では、男同士が殴り合いの末、和解するといった内容だった。だから、そういう仲の縮め方もあるのだと思っていたのだが。
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