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「大きく人の気持ちや、定めを変えることは禁じられてるけど、多少その子たちの心の中のギスギスした気持ちを整理することはできるかな」
「じゃあ」
「でも、それじゃあ根本的な解決にはならないと思って」
人は生きていく中で、いろいろな人と関わり触れ合い生きていく。一度整理した気持ちであっても簡単にまた崩されてしまうものだ。逆にいい方へと向かうこともあるだろうが。
「自分の力でどうにかできることは、自分で頑張るほうがこの先生きていく翔くんにはいいんじゃないかな」
「神様らしいこと言うんだな」
「神様だもん」
全てを力で解決できるならそれが楽に違いない。ウタにとってもそうだ。それでも、人間は限りある人生を生きている。自力で解決する力も必要になる。
「あぁ、でも、翔くん、また来てくれないかなぁ。ここに来てくれる子どもあんまいないんだよね」
「子どもどころか人気いつもねぇじゃん」
「ふふ。古いし、結構入り組んだところにあるからね」
それでも、たどり着いてくれた人はたどり着くべくして来てくれたのだと思っている。だからこそ、親身になって力になりたいのだ。
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