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「こんにちは」 境内の中を、歩いて見回っていると不意に声をかけられた。 「・・・・・・はい?」  名前を呼ばれ何気なく振り向くと、一人の男の人がこちらを見ていた。人の良さそうな笑顔を浮かべてウタを見ている。 「その耳って、コスプレ? ここってそういう神社なの?」 「・・・・・・えっ!?」  不思議そうに問われ、そこで不思議な現実に気がついた。この人、ウタの姿が見えている。  ウタは今、人型ではなく気ままに神の姿のまま散策していたのだ。拝殿に人が来れば戻るつもりであったが、時折こうして散策して時間を過ごしている。その最中だった。
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