6/11

269人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
「人間の力になることが、神であるぼくのお役目だよ。力になることができないのなら、ぼくがいる意味ないから」 「そんなことない! ウタさまに意味がないなんて絶対にない!」  宥めようと声をかけたのに、逆に怒らせてしまった。  心配性のヤトはウタのすることにハラハラしてしまうようだった。 「大丈夫だよ。ぼくは消えないし、ヤトを一人にはしないよ」 「・・・・・・はい。ごめんなさい。お役目の邪魔をするべきじゃないのに」 「ううん。ぼくを心配してくれてるのわかってるから」  ウタを慕い、ウタのために働いてくれるヤト、そしてミト。二人を残して消えるわけにはいかない。二人に力を分け与え、神使として召し上げた責任があるのだから。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

269人が本棚に入れています
本棚に追加