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「男世帯だからね。大したものは作れなくて申し訳ないんだが」 「いえ。ありがとうございます」  神であるウタは、食事は必要としていない。しかし、人型をとれば食べられないわけではない。 「今日はきてくれて本当にありがとうね」 「そんな。お誘いいただき本当に嬉しいです」 「しっかり食べてね」 「はい!」  おじいさんはにこやかにそう言って、ウタにあれこれと勧める。ウタはその気持ちが嬉しくてそれを受け取り、次々と口に運ぶ。 「美味しい!」 「そうかい。葵もしっかり食べなさい」  おじいさんは葵にもそう勧めながら楽しそうに笑う。
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