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「ね。考えてくれた?」  神社を訪れた泉にずいっと追い込まれる。考えるとは、一体どういうことなのだろうか。 「あ、あの」 「俺にしないって話。考えてくれた?」 「えと・・・・・・、俺にするとかしないとか、どういう意味ですか・・・・・・?」  ウタには、泉の言っていることが理解できなかった。 「葵のことじゃなくて、俺のことを好きになってってこと」 「好き・・・・・・。泉さんのことも、ぼくは好きですよ」 「そうじゃなくて・・・・・・。特別に好きになってほしいってことなんだけど。なに、ウタちゃんって初心なの?」  するっと泉の身体がウタに近づき、クイっとウタの顎に手を触れた。
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