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 その身体に触れると、ひんやりと冷たい。目を閉じ、深呼吸をすると力をその手の先にこめていく。  泣かないで、葵くん。大丈夫。ぼくに任せて。  きっと、ぼくが葵くんの願いを叶えてみせるから。  だから、どうか忘れないで。葵くんをずっとずっと大好きだった神がいたこと。  葵くんは、一人じゃないこと。ぼくは消えてなくなっても、きっとぼくが葵くんを好きな気持ちは葵くんの元に残るから。  だから忘れないで。  葵くんは、みんなに愛されてるんだよ。  だからどうか、笑ってーー。
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