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 それから、毎日のように神社に通ったが、毎度ミトに追い返されてしまう。話も聞いてもらえず、ウタの様子も聞くことができずにいた。 「また来たの!? しつこいのね!」 「何度でもくる。ウタに会いたいんだ。お願いだ、会わせてくれ。謝りたいんだ」  葵は、地面に手をつき訴える。自分が、ウタにさせようとした事の大きさを知り、どれほど恐ろしいことを願ってしまったのか。取り返しのつかないことをしてしまうところだった。  ミトや、この間の女の人が怒るのも無理はない。 「謝るなんてできませんよ。・・・・・・ウタさまは、あの日から目を覚まされません」 「え・・・・・・」 「未遂とはいえ、かなり力を失っていて・・・・・・。その力を戻すまではテンさまもできないと・・・・・・」 「そんな・・・・・・どうすれば・・・・・・」  まさか、あれから眠ったままだなんて。あの日から二週間ほど経っている。
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