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「どうしたら・・・・・・。どうしたら、目を覚ます?」 「・・・・・・神の力の源は人の願いなんです。ここは小さな古い神社で、参拝者も少ない。その分いつもウタさまはぎりぎりの力で懸命に神の務めを果たしています」  その大切な力を、ほとんど使ってしまったという。葵は固く拳を握りしめた。 「どうしたらいい。俺に、できることはあるか」 「参拝者が増え、人の願いで力が戻れば、目を覚まされると思います」 「参拝者・・・・・・」  そんなの、どうやって増やせばいいんだ。神に力が足りないから参拝してくれ、なんて不審に思われるだけだ。  葵自身も、何度もウタに参拝していかないかと言われても断ってきた。  そんな自分が、どう伝えればいいのだろう。  それでも、できることをしなくては。
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