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 ウタの神社は、いつも人気はない。葵が訪れる時に誰かと鉢合わせたことはほとんどない。  古びた小さな神社で、立地もあまりよくないのがいけないのだろうか。 「きてくれるだけで、十分だ」 「ふぅん。よくわかんないけど、手当たり次第誘って行ってみる。ウタちゃんの頼みなら張り切らないとね」  泉はそう言って笑う。ウタに対して馴れ馴れしい泉に、あまりいい気はしないが、今回は背に腹は変えられない。  これで、どうにかウタが目を覚ましてくれればいいが。
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