【あの素晴らしい警官に愛を込めて】

2/7
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
気付いたら私の軽自動車は電柱にぶつかり大破していた。 私はといえば、ハンドルから膨らんだのであろうエアーバックにもたれるようにして、うつぶせになっている。 一体、何が起きたのか……? 安全運転をしていた筈なのに、どうして? 私は、ゆっくりと上体を起こして軽自動車から出た。 見ると自分の二の腕は真っ黒になるまで火傷をしている。 それに胸部もうハンドルに強打したのかズキズキと痛む。 一体これは……?……? 私は訳が判らずに、戸惑っていた。 すると後方から男性の声が聞こえてきた。 「今、警察を呼んだから……」 警察?……どういう事? 私がポカーンとしていると、 「なんだ?……覚えていないのかね?」 と、その男性は私が起こした事故の説明をした。 話によると…… 私は左車線をゆっくりと走らせていた。 だが突然、私の軽自動車は暴走し、右車線に突っ込み前のトラック……JAFのトラックだったらしいが……の左後部にミラーをぶつけ、その反動で右車線に戻り、その男性の自動車の右側のボディーにぶつけたのだと説明された。 私には…… 全く、その記憶がない。 きっと…… ほんの1~2秒……『気絶』していたんだ。 私は薬の影響で、たまに、わずかな時間『気絶』することがある。 ただ車の運転をしている時は、ブラックコーヒーを大量に飲み、眠気覚ましのガムを噛んで運転をしていた。 これは『気絶』防止の為だ。 だが…… この日は急いでいたのでブラックコーヒーもガムも用意していなかった。 そして私は遂に運転中に『気絶』して事故ってしまったのであった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!