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パトカーから降りた警官の内、若い警官が私に近づいて来た。
「どこまでの事を覚えていますか?」
「いえ、全く……」
「覚えてないの?何で?」
「実は……」
私は、その若い警官に自分の実情を話した。
すると若い警官は私の薬の説明書きが書かれた紙に目を通すと、
「車の運転はダメだと書いてあるじゃないか!!」
と怒鳴ってきた。
「違いますよ?……控えるようにと書いてあるのですよ?」
私はイライラしながら若い警官に、そう言って睨み付けた。
「同じ事だ!!人の命を何だと思っているんだ!!」
『人の命』だと?
どの口で、そう言うのだ?
私はユニセフに多額の寄付をしているんだぞ?
何だか馬鹿馬鹿しくなり私はつい、
「地球温暖化を撒き散らす虫けら以下の生き物」
と応えてしまった。
「あなたのような人に車の運転はして欲しくない!!免許証を返納しろ!!」
若い警官は、そう私に命令した。
『ゆるさない……』
私は若い警官の名前を訊いた。
上田と若い警官は名乗った。
上田『くん』……覚えてろよ?
ちょうどその時、実況検分が終わりレッカー車も来たので私はタクシーで家路に就いた。
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