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第一章 月曜日
人生とは数奇なものと国語の教科書にあった。
でもそれは自分には当てはまらないし、ましてや自分の家族のことなんて眼中にないから数奇?と言われてもピンとくることなんてなかったかもしれない。
普通に朝起きて学校へ行って帰ってきて寝るだけの単調な繰り返しの中で、公立高校に入って卒業して就職して、家庭を築けるかどうかはわからないにしても、普通の人生をただその辺に漂うように終わっていくもんだと勝手に決めつけていた。
作文を書くように言われた。
数奇な人生。
お前はいいよなというダチに、女子がバカ!と言った。
ああ、俺は親父が死んだという時点でもうその数奇な人生を歩みだしているんだと思ったら自然に死んだ父親の事を書き始めていた。
めんどくさい、同情だけで、先生もこれを公表することはないし、それなら書けるだけ適当に書いてだしゃいいやと、鐘が鳴るまで、みんなのシャーペンの音を聞いていた。
月曜日は憂鬱だ、土曜日曜と休みが続き、その二日間がキラキラ輝いている日なら特に、月曜の朝は最も重く、一週間の始まりを、最も暗くする。
昔の人はよくこの字を当てはめたと思う、月曜は月、ムーンだ、夜だとすれば日曜は輝いたおひさま、サンデー・サンシャイン、それを隠してしまう月だもの憂鬱になるのは当たり前だ。
それでも今は月一回ある祭日は、ほとんどが月曜日に休めるようになっているような気がする。三連休、そこだけはうれしいかもな。
そんなとある梅雨入りまじかの晴天の月曜日に、まさに青天の霹靂ということが起きたんだ。
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