第十四話  競技会準備

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第十四話  競技会準備

お帰り! 一斉にこっちを見た面々。 「なんでみんないるんだ?」 そこには園芸部のみんな。 俺が帰ってきたから、マーが遊びに来いといったらしい、高校のプールは水泳部が使っているから一般生徒は入れない、だからありがたいと先輩たちのビキニがまぶしい。 真冬から、真夏へ、体がついていかない、年よりかとつこっまれる。 そんな話をしながら、先輩たちと作業小屋へ。 苔と戯れる先輩。 釣り忍がない、伝票、すべていただきましたと書いてある。 まあいいか、こけ玉も持っていかれた。 先輩は俺のがないといっていたが遅い、持って行ったのだ。 「おー、なんてこった!今日は持って帰るぞ!」 プールができて、水を必要とする植物を置いておいた、どうせ水を使うんだ、俺がいない間枯らすのもかわいそうで、母さんに頼んでいったんだ。 「君たちは美しい」 苔をなでる加藤先輩に笑っているみんな。 「だいぶ、勉強になったわね、それじゃあ、組み分けして、エントリーするわね」 俺たちは、和風テェィスト。盆栽なんかを中心に日本庭園を造るのだ。 アクアリュウムは。共存をテーマに人間が海とどう共存していくかを表すのだそうだ、大変だ。 各サイズが決まっていて、それよりもはみ出してはいけない。すべてを囲ってもいいし、糸で、仕切りながらするのもいいそうだ、囲ってしまって後から外す方が一番いいらしい。 「去年の準優勝者が、最後の最後で、動かしちゃってはみ出しちゃってさ、もう泣いてかわいそうだったよ」 「へー、じゃあ、搬入も大変ですね」 「ああ、みんなぎりぎりまでいじるだろ、水もやらないといけないしさ」 そうか、みんな生きてるんだ、そうか、それも大変だなー。 「それに、俺たちのほうは、大会一か月前にお題が決まる」 「一か月、無理でしょ!」 「でも、盆栽や、時間のかかるものは、今から準備しておく、そんなにかけ離れないから大丈夫さ」 「今までのデータがあるからね、おととしは平安京、奈良のイメージ、その次は金沢」 「なんかのイベントコラボ?」 「そうね、金沢の時は新幹線の乗り入れ、奈良も、千三百年の記念行事だったし」 「じゃあ、今年は?」 「熊本」 「あー、地震か、頑張れってとこか」 「熊本城があるからね」 「はー?あと何がある?」 「熊本ねー何がある?」「私に振らないでよー、くまモン?」 「それクレーかよ」「じゃあ先輩なんかあるんですか?」「んー」 「これは図書室とかで集めるしかないわね」 そして先輩が作り出した簡単な模型。 「うっそー、ちいせー」 「まじ、こんな小さいんですか?」 そりゃそうよ、全国から集まるんですもの、そんなにスペースは取れないわという先輩。 「あれ、こっちのスペースは何ですか?」 「ああこっちは、一般の作品や海外の作品の展示ね」 「すげー、そんな所で大会か」 「まあ、審査委の好みなんかもあるし、なかなか優勝はむつかしいぜ」 俺は、このプールができた時に世話になった、ペットショップの話をした。 「ウソ」「スゲーじゃん」「どこにあるんだよ」 先輩たちは明日にでも行ってみようという話になった。 材料は、こっちでそろえるが、いろんなところを回ってはいるものの、専門店なんかは、ほかの学校と契約していたりするそうで、なかなかいいものが入ってこないんだそうだ。 でもほかの学校ぐらいなら。 そうはいかない、仕入れたもので、どんな構成にするかある程度読めるそうだ。 「それもすごいね」 「三年やると大体わかるし、本も出てるからな、勉強にはなる」 さすがー!
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