第十六話 会社を任せる?

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第十六話 会社を任せる?

「面白くも楽しくもないだろ?」 まあ、そりゃ、企業の顔だもんな。 「お前に一つやる、自由に使って、カリオンを売り出してくれないか?まずは、ブログの提携と・・・」 「ちょっと待って、いいのそんなことして」 聿さんは、本来なら、モデル、カメラマンは会社側が頼んだのだから、アサヒフォトさんでは使えない、でも彼らはプライベートだからとそこだけを使ってきた。 「じゃあ、だめなの?」 「そうじゃない、一本取られたんだ、本当ならこっちがしなきゃいけない」 失礼しますとコーヒーを持ってきてくれた。 それも六個、色違いのカップに少しずつ。 ハーと大いきなため息の聿さん。 「鈴木か?」 「はい、大至急味見をお願いしたいそうです」 渋々という顔で、俺を見て、三つのカップを飲み比べてほしいという。 「飲み比べ?」 「ああ、うまいと思ったのを仕入れるんだそうだ、コーヒーなんかどれも同じだろう」 そう言いながら飲み始める聿さん。 あの? はい? 秘書の方に、スプーンと水をくださいと頼んだ。 「水ですか?」 「ティスティングですよね、お願いできますか?」 「は、ハイ、今すぐ」 「へー、チイちゃんはそんな事知ってるんだ」 テレビで見たことを話した、棒国民放送局で世界各国を専門職で飛び回る人にスポットを当てた番組だ、俺はそれが好きでよく見る。 「お待たせしました」 スプーンでコーヒーを一すくい、ずっと音を立て吸い込む。 それを吐き出し、次のコーヒー。 「ん?」 「どうかしたか?」 ウウンと首を振り三つ目。 あー、これいいな。 スプーンを置いて、最後のカップを飲んだ。 「俺はこれがいいな、ブラックでもおいしい」 へーという聿さん、どうやるんだと聞くからこうするんだと教えた。 「ん?なんだこれ?」 「気が付いた?これ、有名コーヒー、家にもあるよ」 「あいつー、試しやがったな」 全然違うなという、聿さんも三番目がいいと言う。 「いちばんもいいけど、三番には負けるよね」 そんなに違うんですかという秘書の方にも教えた。 「ワー、全然違います、俺でもわかる」 聿さんは電話をしてすぐにこいと言っている。 さっき下であった鈴木さん、いかがでしたかと聞いた。 「千弘はこれがいいんだそうだ」 「あんまりコーヒーは飲みませんが、これは美味しいです」 「そう言っていただけるとありがたい」 「お前試しただろ、これ、給湯室にあるやつだ」 「流石社長」 聿さんは手を振った、これは、俺が見つけたんだと話した。 鈴木さんは、そこにあった水を見てこういった。 「まさかティスティング?」 「知ってたんだ、教わったよ」 すると鈴木さんの目が変わった。 「社長、息子さんお貸しください」 「十分」 「はい、千弘さん、来て下さい」 は?行ってらっしゃいという聿さん、俺は手を引っ張られ、エレベーターの側の階段を下り下の階の会議室に入った。 そこには数名の社員。 お正月が終わるとすぐにバレンタイン商戦に入ります、チョコレートはもう決まっているのですが、それに合わせ、コーヒーも世界各国から集めます、もちろんインスタントから、高級な豆まで、ですが豆はなかなか売れないのが現実で、有名なバリスタ監修のもと、カフェテリアを考えています。 もう、まだ夏なのに二月の準備してるのスゲー。 俺は席に座らせられると、目の前にカップが並び始めた。 「私どもが選んだものからさらに五種類に絞り込みたいのです、お力をお貸しください」 「そんなこと言われても」 「好きなもの、美味しいと思ったものでいいんです、素人目線が一番大事なんです!」 そう言われた。 知ったかぶりが墓穴を掘ってしまったようで、やばいと思った時はもう遅くて…もう! 知らないよ、責任持てないよと言うと、それでもいいというんだ。 コーヒーのいい香りが充満する。三十個のカップが並ぶ。 「国ごとに分けてある?」 はい、それは大丈夫ですとなんだかすごくうれしそう。 水とバケツ、スプーンが用意された。 俺は順番に始めていった。 いいと思う物は向こう側に押し出した。 「ん?」 「どうかしましたか?」 俺は残りかすを置いてほしいと頼んだんだ。 捨ててないという、じゃあ粉を見せてほしいと頼むと並べてくれ始めた。 たしか、これは? 俺は其の豆の砕いた物を見て三個だけよけた。 「これは?」 「たぶんエスプレッソ用だと思う、ドリップでしょ?薄かったんだ」 おい、すぐに調べろ。 は、はい! 六個のコーヒー。 「んー、どれもいいと思うんだけどなー、ダントツはこれなんだ、これを飲むと他のはちょっとなー」 するとよっしゃーと言っている男性がいた。 「これは?」 はいと言ってその男性が説明し始めた。それを聞いて驚いた。テレビでその時においしいと言っていたコーヒーが目の前にあったんだ。俺も興奮した。
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