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第十七話 間違えを認める
「すごい、幻のコーヒーが飲めるなんて夢みたいだ、これおいしいです」
「ありがとうございます」
すると戻ってきた人、エスプレッソ用みたいですと言う。
すると鈴木さん、中途半端な事をするなと怒られたんだ。
お客様に、見たいという中途半端さで提供できるかという、驚いたけどその通りだと思う。
「あの?」
「なんですか?」
俺みたいのだ云うのも何なんですけど、ここでわかったからよしとしませんか?それより、これ、ちゃんとした、エスプレッソで飲んでみたいと話した。
「では、すぐに支度を、約束の十分が過ぎましたので、社長室にお持ちいたします」
「ああ、もって来るとき、お砂糖もお願いします」
「砂糖ですか?」
「はい、少し多めにお願いします」
わかりましたと言って、三種類の豆を持って人が動き出し、俺は鈴木さんと元の部屋に戻ったんだ。
「ジャストだな」
ストップウォッチを見せられた。九分三十八秒?なんだかさっきのお返しみたいでおかしかった。鈴木さんは説明をしてもう一つのティスティングを頼みたいと言って部屋を出ていかれたんだ。
俺は、ホームページの話を一通り聞き、まだパソコンを使いこなせていない話をした。
とにかく文字を打てるようにすること、スマホと同じ、感覚で漫画や絵文字をかけるようにしてほしいと言われた。
「失礼します」
運ばれてきたコーヒーはさっきよりもドロッとして濃い。
これが本物エスプレッソか。
「下の喫茶店で入れていただきました、砂糖です」
「ありがとうございます、鈴木さんもいかがですか?」
ありがとうございますという。
「おい、おい、砂糖入れすぎだろう」
「いいんだよ、熱い国の人は甘いの好きだからね、とかしてよ」
と一つを聿さんに渡した、一つは鈴木さん。
じゃりじゃりという音がしなくなってからスプーンで一口
「チョコレートみたいだな」
「でしょ、どれがいいか、三人で指差しませんか?」
いいですねと言う、三つのカップを置いた。
「せーの、これ!」
三人とも同じものを指さした。
「やり―、俺は余韻が残るこれにした」
「余韻かー、香が最後まで残ったんだよな、いやらしい味じゃなかったし」
「私もです、最高級のチョコレートを食べたようでした、ありがとうございます、レポートをまとめすぐに動きます」
行こうとした鈴木さんが足を止めた。
「社長、息子さん、ぜひまたお貸しください、お願いいたします」
「はい、はい」
何か聿さんの意外な一面が見れて楽しかった。
それから広報部の人が来て、パソコンのやり方を教えてくれるというので広報室に行ったんだ、ここも楽しかった。疲れたけどね。
初めての俺の作ったページは社員が見ることのできるページから始めたんだ。
今日やったティスティングのこと、コーヒーを仕入れた西郷さんとのピースサイン。
これがちょっとした反響を呼ぶことになるんだけれどもね。
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