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第二十四話 ハプニング
アクアリュウムは、大量の水を使うという事で、全部の県が一斉にはできなくて、十校ごと別れてすることになった、タイムを計り、規定に達しなかったものはそこで失格。残った学校だけが、この空いたスペースに運ばれてくるのだ。
俺たちは、手の空いたものが応援に行き、この場所に、何か嫌がらせとかされると困るから、二人で見張ることにしたんだ。
「がんばれー!」
応援にも熱がこもる。
何度も学校で練習した、もしもの事を考え、水量なんかが足りないときはどうすればいいかなんか何度もシュミレーションしたんだ。
準備はできた。
「では、スタート!」
先輩たちは、基本通りに慌てずにやっている、まくり上げたジャージが濡れようが関係ない、周りなんか見てられない。
用意されたものは水槽、砂利、ホース、大きなごみ箱が一つ、バケツが五個。それ以外は、学校で用意。準備時間はとにかく水を用意した。ほかにも、ポリの大型ごみ箱五つや、滑り止めと傾けるときに使う厚手の木の板を五枚、短めのホースも二本、バケツは学校からかき集め十個も持って行っていた、ほかの学校でも用意しているところがあったけど、俺たちのところが一番大荷物のような気がした。
「五分経過」
「あわてんなよ」「慎重に」
やっぱりそうだ、一斉に使った水は、水量が足りなくて、ちょろちょろしかでなくなった、焦るほかの学校。外で開催、水槽を落としたら割れてそれで終わりだ、そのために木の板を持ってきていた。先輩たちは、汲んであったバケツから水を入れ始めた、大きなごみ箱が役に立った。各学校に用意はされているものの、使うかは自由だった、俺たちは、とにかく余ってもいいから全部に水を入れておいたのだ。
俺達男性で、最後に乗せる台の上にポリのごみ箱をあげておいた。船越先輩がホースを吸った。
水が勢いよく出始めた。
「十分経過」
おーというどよめき。
俺たちのところは一番に水が澄んできた。
まだ、水が濁っているうちに、水槽を戻し、水を入れたまま、植物を入れ始めると、ほかの学校もつられるようにし始めた。
「だめだ、あれじゃあ濁りが落ち着かない」
「つられたんだ、ほかの学校は全滅だ」
「十五分経過」
もう、半分以上中が見えてきている。
ほかの学校はまだ濁ったままだ。
植物を入れ始めた。小さな水槽に並べてある通りに置いて行く、一番間違いがない。
「ニ十分経過」
「落ち着いて」
「緊張してるのかな、部長震えてる」
「部長、落ち着いて!」「はい!」
「美香しっかり!」「はい!」
「船越先輩がんば‼」「おー!」
返事が返ってきた。
「二十五分経過」
水を捨てた。周りの学校はあっけにとられている。
「そうだよな」
「だってきれいになったんだもんな」
また、おーっという歓声が上がった。
水を入れながらいろんなものを入れ始め、手が上がり、場所を移し、スイッチが入れられた。
「三十分です、そこまで」
拍手が起きた。
俺たちは抱き合って喜んだ、たった二校だけしか、完成しなかったのだ。
そして、判定は。
「合格、星周学園高校」
「きゃー!」
「やった-!」
それは、みんなが認めざる負えなかった、みんなが同じスタートラインで行った結果だったからだ。
次の十校は、すべてがダメだった。
結局、終わってみれば、たった四校しか、飾ることはできなかった、そして、水の澄んだ我が校が最優秀賞をいただいた。
アクアリュウムは個人ではだめだったけど団体でとれたんだ。
そして、戻ってくると、泣いている先輩たち。
何があったの?
もう、とにかく見てという。
東京地区、なんか華やかー。
「噓!」
「きたー!」
「やったー!」
もうみんな大喜び。
写真撮ろう、早く送ろう。
規定作品の熊本も、一位の最優秀賞、個人は、盆栽自由で俺と加藤先輩が、大菊の生け花で辻本先輩そして、豊田が生け花自由でそれぞれ賞をいただいた。
明日の日曜日に表彰がある、俺たちは、明日、ほかのところもゆっくり見ようと思う、今はほかの学校との交流を楽しんでいた。
俺は初めて賞なるものをもらった。
賞状と盾、みんなに見せてガッツポーズ。先輩たちももう泣いちゃって大変だった。
今日は家族みんなが見守ってくれている。
そして、
「すっげー」「じいちゃんの?」「そう、でかいな」
隣の寺の松もデカかったけど、これもまたデカいというか重厚感があるというか、とにかく圧倒される。飛竜の名がついたものは、ニューヨークから運んだものだそうだ。
海外の有名な人たちの作品もゆっくり見た。でも、なんかすごいのは、じいちゃんもだけど、聿さん、海外の人が寄ってきては握手して、俺も紹介してもらって握手したりと。なぜか、海外の人の手には見たことのあるものが。My son made Really?
息子が作ったものですと紹介してる俺のミニ盆栽。
なんでもギャラリーで売っているそうだ、いつの間に!まあ喜んでもらえるならいいかー。
そこでえらい発表があった、あまりにも素晴らしい作品が集まったので、来年度から、個人の作品に関して、災害のあった国や地域への応援として、上位の作品をハンマープライスにかけるというのだ、世界中からの応募お待ちしていますという。強制ではないらしいが、それもすごい。
ドームを貸し切って行われた展覧会は、十月の連休を挟んで行われたため、五日間の開催となったが、さすが最後まで残った作品たちは、花も落とすことなく、リンと上を向き咲き乱れていた。甘い、いい香りのする大会に俺たちはずっぽりとはまった。
「よっしゃ!後輩ども、次は託した、来年に向けてー頑張るぞ!」
「おー!」
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