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ふと、ここでひとつ私の中で疑問が生じる。
梶原先生は、何があってもこの日本史オーバータイムを続けるのか。時間が終わってると知りつつ続けるこの授業を、「続ける」か「続けない」かの境界とは何か。
そうだな。たとえば「大きい音」とか。
ペンケースのひとつでも床にぶちまけようものなら、大きい音が鳴るだろう。
そしたら、梶原先生の授業を続けたい想いもじわじわ削がれてしまうのではないだろうか。
疑問が生まれたら、すぐ検証。
私は、机上の隅に置かれた紫色のペンケースに手を掛けた。
「よーし。ちょっと半端だけど今日はここまでー」
しまった。疑問の脳内確認に時間を使い過ぎた。2分41秒も考えてたみたい。
検証できなかった。
ああ。検証、したかったなあ。
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