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第二十五話 林の確執
そんなこんなで十二月突入
「ウソ、マジで」「マジだよ、時間は開始一時間前集合な」
「本当にいいのかよ」「もう、ちーとリンがいないから勝手に決めたんだ」
「ありがとう」「感謝!」
「でも、お前らだけでよくきめられたな」「それは無理だな」
「会長」「近藤君に感謝しなさい」
まさか、お兄さんが…
「やっと引継ぎが出来るな」「そうね」「それじゃあ、次の会長決めちゃいますか」
「もうですか?」「もうなの」「早くねえ?」「早くないわよ、お披露目はパーティー会場だもの」
うっそー!
「壁の花には、なれないからな」「安心しろ、ちゃんと教えるから」
「どうやって決めるの」「ジャン、これ」
ジュースの空き缶に棒が入っている、それをカラカラと鳴らし始めた。
「これって、くじ?」「そういう事、誰がなっても恨みっこなし」
「えー」「いやだー」「マジかよ」「俺くじ運ねえ」
カラカラとならす缶、二個に印が付いた物があると見せてくれたものが今目の前に。
赤が会長、青が副会長だという。
「さあどうぞ!」
せーの!
ウワー!
嫌だー!
崩れた。
「よかった~」「俺もほっとしたー」
「では、次の生徒会長は長谷川健ちゃん、副会長は林亮ちゃん、でよろしく!」
「魅録さん俺無理っす」
「残念だが、頑張れよ」
「ウソー、マジで!俺無理だってバー」
健に関しては四つん這いになったまま動くこともできないでいる。
「きまった?」
「健ちゃんでーす」
「へー、いいんじゃねがんばれ」
「もう先輩助けてー」
頑張れ、四人いるんだから代表だって思えばいいのよ。だって。
「いやじゃ―」と頭を抱えた。
「いやじゃないの」「もう送ったからな」「おめでとうだって」
パソコンをこっちに向けた。
ワーと両手で頭を抱える健、もう、頑張ってもらおう。
「もう、泣くなよ、な」「だって、あの人たち怖い」
「あーあの五人シュウな」「仕方がないよな」
そしてもう一人、あれ何処?
消えた?
「さあ、やることは多いわよ、招待状やもろもろ、ほら、泣いてる暇はないの」
「これは、代々受け継いでるひな形だ、ここを健の名前にすればいいだけ、後はお前ら三人を連名で、はいできた」
「うー、恨んでやる」
「そいうこと言わないで、これに書かれてる事やんなきゃいけないんだからね」「頑張れ―」「引退ジャーよかったな魅録」
もう一人林は?
隣にいた。
「何やってんだ?」
「フフフ」
こえ―よ。
何か企んでる?あ、もしかして。
「見ろ、決定じゃ!」
スマホを俺たちに見せた。
副会長は君だ!
誰?その下には花びらが舞い散る中にいる花江?
嘘だろ?
しばらくすると、生徒会室に飛び込んできた奴。
「変なメールが来た!」
「おめでとう、君は、次の副会長に任命された」
ハー?という花江。
先輩たちが花江の肩を叩く。
「ご愁傷様」「がんばれー」「大した仕事はないから」「大丈夫、ジュン君にはできるから」
なに、なにーと言っている。まったくいいのか?隣を見ると、まだ頭を抱える健に三人の先輩が寄り添っていたのだった。
学園生活なんてあっという間で、俺たち四人は、貸衣装の部屋にいた。
「でかくなったわね」
「すみません」
今回は豊田も、林も体格が変わったということでここへ来た。来年も変わるだろうしね、それにもう少ししたらもっと増えるのがわかってるし。
「こっちね、どう?」
「うん、これの方がいい」
どう?借りに来た人いる?
いるわよ、代理様さまです。なんて頭を下げられた。
よかった。
「はい、つぎは?」
「俺、俺も背伸びた」
「もうとどかない、しゃがめ」なんて、でかくなったよなー、マジで。
四人並びデカイ鏡をのぞいた。
「売り出すか?」
「いいかも?」
「ギャラは同じにしてよね?」
「そこは健だけ別だよな」
何でだよー、なんていじられているけど、マジでいい男達です。
ドンと背中を押された。
「ワオ、いいじゃん」
花江がのしかかってきていた。
「へー凄いな」「キャー、かわいいのいっぱいー」
そこに現れた新制生徒会のメンバー。彼らの分も頼んだのだ。
よし、これで衣装はオッケー?
オッケー!
「次は」「花屋」「花?」「何するんだ?」
俺たちは本社の真下、歩いてすぐ隣の本店へと足を踏み入れた。
キャー!
すごい人気だね。
そりゃこれだけいい男がいればね。
「お疲れ様」「お疲れ様です、代理、これでいかがですか?」
コサージュと、飾る花を頼んでおいた、去年の様子を見ながら。
「どれがいい?」〈華やかなのがいいよな〉「あんまり高いのはな」「いやそこは高いので行こう、みんな目がこえてるんだ」「さすが、信成、バラがいい?」
お客さんがのぞいてるのがわかる。俺たちがアクションを起こすたび、ものすごい騒ぎだ。
「カラーは、多い方がいいね」「バラは夜だからピンクとか明るい色がいい」
稼ぎ時だけど頼むね。というとはいっという若い女性店員、よければ写メいいですかにみんなで取った。
そして、外にいるお客さんにアピール。
その後本店は混雑しました。
だって、リンが買い物したいとか言い出すんだもん。
まあうちのイメージキャラだからそこは多めに見ましょう。
忙しくなりはじめた、その日の昼、俺たちは馬鹿な事を言いながら会長室のドアを開けた。
「あ」人がいた、外を見ながら紅茶を飲む姿、外人?ヨーロッパ系の顔立ちの男性がいた。
「オヤジ!」そう言ったのはリンだった。
「亮、久し振りだな」
似てる、でも、リンはどっちかというと日本人顔だ、でもすぐわかる、親子。
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