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第二十九話 日本の未来
「緊急の御集りに感謝いたします。本日、数か国の国が動き出しました。それは世界を驚愕させ、米ソ関係の様な冷戦時代へと入りはじめるやもしれません。ここにおられる皆さんはこの国の代表であります。世界情勢に耳を傾け、今我々が何をなすべきか、それを改めて考えていただきたい、では詳しい話をお聞きしたいと思います」
「兵頭幸之助様、お願いいたします」
「皆様お忙しい中申し訳ありません、まず、一つ、一つお話ししようと思います」
国の名前を挙げ、どんな状況下を話していく。
「次に中東ですが、できる限り、撤退してください、非常に緊迫しています、できる限り早く願います」
原油がおちつていたのになー、戦争だけはしないでほしいよな。
韓国もおかしい、撤退は急務だと言う。
「最後にアメリカ、非常につらい、彼は我々と同じ立場にいたが、これでは子供と同じだ、人の話を聞き入れなくなった。悪いが、この一族とつながりがあるのは考えた方がいいかもしれない、このままでは、国家自体危ぶまれる、特に、メキシコに近い所にある、車関係の会社は十分気お付けるように」
そして、我が日本、このままでは、世界状況の悪化、円高になりえない、今伊弉諾(いざなぎ)景気(けいき)のような状態が続いているが、オリンピックの閉会と同時に、台にバブル時代が来る、そうなると、この国の破たんは避けられない。
どうか、海外で生き延びるように今から動いてほしい、健闘を祈ります。
ざわつく講堂内
「続きまして、篠田栄様お願いいたします」
「それでは、今海外で動こうとなさっている方がと話がしたい、お呼びしますので、控室にお集まりください。大学院教授神田博先生、同助教授補、一の橋健二先生」
次々呼ばれていく。
「大学院、佐藤晴彦、高校より木村千弘、以上です。お忙しい所誠に恐れ入りますが、速やかに移動願います」
「これにて特別総会を終了いたします」
ザワザワする講堂。
「お前何したんだよ」
そう言ってきたのは魅録先輩
「俺じゃねえよ、晴彦さん、悪い事じゃない」
昼に話していた事だろうというとそれだけだなと言ってきた。後は、インドの事業の事。
それは知っているという。とにかく、後で話を聞かせろと言われた。
「ち―、行くぞ」
「はい、それじゃあね」
晴彦さんに呼ばれその後を追った。
会長室に入ると、いろんな方がいた、白衣を着た人たち、年齢もそれぞれ。
そこに入ってこられた四人
「木村君、そこの部屋は使えるかい」
「は、はい」
「では、お呼びしますので、各部屋でここの団体ごとにお聞きいたしますのでよろしくお願いいたします、まずは、神田先生のプロジェクトチームの方は理事長室にお入りください。大学考古学部、永井教授のグループは、お隣の、国語準備室へ。藤崎君の会社関係はその隣の数学準備室でお願いいたします」みんながぞろぞろと出て行かれた。
「さて、残ったのは六人ですね、初めましての方もいるようですね、私は、六道千一と申します」ウソ、総銀の六道?
「それでは、仕事を組んでいる方と隣になる様に座ってくださいますかな」
俺は晴彦さんの隣に座った。
それぞれの名前と、これからどこの国での仕事をするか代表が簡単に話てほしいと言われた。
晴彦さんの後に俺は名前を言い、彼は説明し始めた。
「ほう、リゾート開発、王様とですか」
「はい」
そうですかという。
ココには三組、それも、発展途上国ばかりだ。
「まずは、荒巻さん、厳しいが、おやめになった方がいい」
「ええ、先ほどの話を聞きそう思いました、無理です、あきらめます」
「井上さん、どうなさいますか?国のバックアップは期待しない方がよろしい」
「ええ、厳しいでしょうね、こんなに早く動くとは」
「我々も、翻弄されてしまい、本当にあの方には困ったもんだ。では、皆様は新しい事へまた挑戦してください、我々はいつでも応援いたします、本日はお疲れ様でした」
四人の方が出て行かれた。
「さて、木村君、臣は元気かい?」
「はい、ありがとう存じます、元気すぎて、大変です」
「そうか、それはよかった、あのクロマツは見事だったね、またぜひ、いいものを作ってくださいね」
「ありがとう存じます」
「さて、佐藤君、親御さんは知らないようだね、何かあったのかい?」
晴彦さんは、やくざにお金を要求された事を話、今年、俺の会社がインドへ出ることを知って、話をしに行ったことを話した。
「ダメ出しをいただきました、王様と連携を取り練り直したいと思っています」
「ええ、国宛てに、国書としてきた物でね、驚いたんです、丁度いい機会だったので、こういう機会を持たせていただいたのですよ」
するとドアが開き、馬場さん達が入ってこられた、終わったのだろう。
俺たちの前に座られた。
「彼とは留学の時に仲が良くなったのかい?」
「はい、そうです、助けてほしいと言われました」
「佐藤の後ろ盾なしでか」
「はい、彼はそれでいいといったので」
「それで木村翁に頼んだか」
「それもありますが、これからは、彼のような若い人材が世界を回すでしょう、私は、彼に魅力を感じました、それで頼みに行ったのです」
「千弘君、社長の代わりにダイブ動いているらしいね」
「いいえ、たまたまそういう状況になっただけです」
「そうみたいですね、林総督からは、孫のいい友人だと聞いておりますし、結城家からも信頼は厚いようですね」
「木村君、君は、私に言った事憶えているかい?」
忘れない、俺は、兵頭さんに食って掛かったんだ。
「はい、あの時は失礼いたしました。今私は、母に諭されこう思うようになりました。私には、二人父親がいる、それは、幸せな事なんだって。こんな経験させていただけたことに感謝しようってそう思えるようになりました」
「そうか、それはよかった」
「では、まだこれからなのですね」
「いえ、祖父は、二年でやり遂げるように佐藤さんに話しました、この国が無くなる前に完成させなければならないからです」
「予算は」
「二十億、この金額以内で」
「できるのか?」「無謀だろ」「採算は取れるのか?」
「私は、先ほどの話を逆手に取りたいのです、ダメになる国を先進国のセレブ達が逃げ場に使う、俺は見てみたい、ざま―見ろって言ってやりたい、だから、やるんです」
「若いな」「三十年前に戻りたいね」
「国は何をすればいい」「今考えているのは、リサイクルごみの再生化です、どこの自治体もあふれている状態です、特に、災害で出た土砂の管理」
「まさか、汚染部質」「いえ、そんなことはどうか国でしてください、純粋に、それを埋めるために出た土砂の行先です、各県は、もてあましているから、産業廃棄物が埋め立てられ問題になるんです、だったらちゃんと受け皿を作ればいいだけの事、そうでしょう」
それはそうだと言っている。
「動き出しているのではないですか?」
「先ほど、彼が言ってくれました、国が無くなる前にしなきゃいけない、それは我々先進国がやらなきゃいけない事だからです」
「今、事務所は」
「カリオン本社に部屋をお借りします」
「王は、日本に来られますか?」
「はい、近々」
四人は、何かをこそこそ話しはじめた。
「では、窓口は、佐藤君でよろしいんですね」「はい」
「事業報告書、そのほかの書類の提出と」「王が来られたら、連絡がほしい」
「どなたに」「馬場君、君でいいかな」
「御意に」
晴彦さんは馬場さんを見てかしこまりましたと言った。
「では、これで、終わりましょうかね」
「あの?」なんだというような顔
「お茶、召し上がりますか?」
ハハハと笑い声。
「いただきましょうか」
隣の部屋へ、牧が入れてくれるといった。
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