第二十九話 日本の未来

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「魅録君、長谷川君、いるんだろ、来てくれ」 俺は、六道さんにぶしつけですがといい、名刺をいただけないか頼んでみた。 「そうですね、あったかな、ああ、はい、どうぞ」 「私もいただけませんか」 「ええ、かまいませんよ、君は、だいぶやんちゃな話を聞いていたけど、誠実そうでよかった」 「そうでもありませんけどね」 「これは、やはり親戚は甘くないかな」 失礼しますと、お茶を配ってくれた、のどカラカラ。 少し、雑談、会長になった健、一年頼みますよとプレッシャー。 「それと」 マーと、リオ、二人のことを話してこられた。 「きみも、林君も忙しからね、立場上、魅録君のようになるが、どうだろう、みんなの意見を聞きたいんだが」 海外に出れば、それだけ危険度が上がる、そうなると、子供を守る観点から行けば、来年はいって来る二人には、兄たちの代わりに、入ってもらった方がいいのではないだろうかという。 「長谷川君、来年の新入生は何人かな」 「今のところお二人とお聞きしてます」 「では四人か、ドンドン少なくなるね、私は賛成しますね、Sクラスも大事にしないと」 「私も賛成します、一人でも多い方がいい」 「私もです」 「では、長谷川会長、木村雅弘君と林理央君の参加を表明します、頼んだよ」 「はい」 「千弘君」 「はい」 林の父親に連絡を取り、息子さんの話をしておいてほしいと頼まれた。 「私でよろしいのでしょうか」 「今、君が代表だ、頼むよ」 わかりましたとお引き受けした。 それではと、四人の方は席を立たれた、魅録さん、健が見送りに出た。 足音が遠ざかる。 「はー終ったー」 隣の部屋からも終わったーの声がした。 「ちー酒」 「あるわけないでしょ」 「ハー、なんかない?」 「そういや」 冷蔵庫から、黒いものを出した。 「はいどうぞ」 「オー、コーラ、ありがと」 さて、これで大きいのが片付いた、頑張るか。 彼もまた、みんなにサンキューと言い部屋を出て行った。 もう、ホームルームも終わるころ、午後の授業は消えたけど、この先の一抹の不安は隠せないといったところだな。 ゆっくりもしていられない、俺も動きはじめなきゃ。 クリスマスも終わり、年末の仕事も片付き、年中無休の会社も少しの人を残し、三十、三十一、一月二日まで休みだ三日からは恒例の新年のあいさつ回りが待っている。 二十九日の株主総会では緊張しまくり、その後仕事を終え、ベッドに落ちた、明日から休みだ、ゆっくり眠れる。 もう、母さんには頼んだ、頼むから寝かせてほしいと、ね、る、ぞ!
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