第四話 壁に耳あり障子に目あり

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第四話 壁に耳あり障子に目あり

次の日の受業が終わるとすぐに俺たちはかばんを手に帰ろうとした。 「チー、どこ行くんだ」「あれ、豊田も」 「野暮用」 「そういうこと、じゃな、お先―」 「ホームルーム!」 「先生には言ってあるじゃな、明日!」 ローターリーにはでっかいリンカーン。 車に乗ってくださいとドアを開けまっている人。言われ乗り込むとすぐに動きだした。 「健たちは?」 「もう一台で来るから」 そこには足を組んででんと座る南先輩。なんか機嫌悪そう。 なんかありました?聞いたのは信成。 「聞いてくれる!」 なんかどうでもいい話、女同士のすったもんだ、そんなこと言われても俺わかんねーし。 「でもそれって相手の勝手な片思いですよね入れ込むだけ損じゃないんですか?」 豊田が返事した、スゲー、あーそういや、女の事詳しいんだな、親せきが年の近いのが多いって言ってたし、部活の子とも仲いいし、俺やっぱ男兄弟なんだよな。 「そうでしょ、なのにかってにいいたい放題言ってさ、私にどうしろっていうのよ、黙って聞いてりゃ、ちゃんと聞いてっていうし、アドバイスすりゃ、それはわかってる、まったくどうすりゃいいのよ」 「幼馴染で甘えてんじゃねえの、ほっといたって話したい奴は話してくるから、適当なところで合図ちうって、最後はスパーンと切ってバイバイ、また明日聞いてやるって、俺ならそうするけどな」 「聞いてる時間ももったいないのよね」 「やりたいことがあるときってそうですよね」 「はー、何か聞いてもらってよかったわ、なんか飲む?まだ二十分ぐらいかかるし」 「どこ行くんですか?」 「横浜」 いつの間にか高速に乗っていた。車の中にもいろいろあって、コーヒーをいただいたけど、缶コーヒーじゃなくてちゃんとしたものだし、なんかすごいな。 降りたところは、すごい日本庭園、じいちゃんよりすごいかも。 「こっちよ」ホテルのような方へ行く。ってホテルかよ。 いらっしゃいませと来る人たち。 来るまで待ってましょ、というここはなんだろう個室?俺トイレに行ってくる。 「またあいつらくんのかよ」 トイレの個室に入ると、聞こえて来た声。 「高校生だろ。俺らのしたじゃん」 ん?高校生? 「まったく、勉強好きじゃなきゃあんなことしねえよな」 「いいよなー、たっかい飯食ってさ、セレブ気取りかよ、なんか混ぜちまうか」 「死んだらまずいだろ」 「味覚馬鹿だからわかんねえよ」 「そりゃそうだ」 「年一回かなんか知らねえけどよ、オーナーもあそこまでガキに頭下げるなんてやってらんねえよな」 「あーあ、俺も金持ちに生まれてきたかったぜ」 「何いれる?」 「ゴミでも入れとくか」 「賞味期限切れてるのでいいんじゃね、わかんないようにな」 アハハハと笑って言った、静かになってすぐに出て後を追った、コックだろうか、白い制服を着ていたけど・・・入ったのは厨房、白い帽子をつけた。 まさか、俺たちのこと? まだあいつらは来てない、豊田の袖を引っ張った。 「なんだよそれ?」 「わかんねーよ、だからさ」 「あー、遅ーい」 これで全員そろった。 「悪い、ちょっとトイレ」俺も、俺もと行ってしまった。 話すタイミングを逃し、エレベーターのホール、先輩たちがいるからなかなか話せない。 とうとうエレベーターが来てしまった。エレベーターの中「いえよ」嫌だよ。 「何やってんだ?」 さっきからおかしいわよと言われた。 「あの、その」 「もう、さっき、千弘がトイレに入ってるときに従業員の声が耳に入ったんだそうです、ほら言えよ」 「間違ってるかもしれないから、ただ高校生だろってのが引っ掛かって」 「何を言ってた」 俺はそいつらの会話を話した。 チーンとドアが開いた。 みんなが下りた。 このホテルは、ОBの、宇都宮氏の経営しているもので、代々生徒会は、この時期に、一年を紹介しに来る、数名の学園のドンと呼ばれる重鎮トップと会うためにだそうだ。 先輩たちは腕を組み悩み始めた。クリスマスにプレゼントをくれた人とは違うんだそうだが系列は同じ、こっちが各上だと思っていたのにな、なんて言ってるけど… 「まあ、あの人も代変わりしてあまりいいうわさは聞かないしな」 「はー、気が重いな」 「でもそんな話聞いたら料理なんか口付けられないわ」 「そんなに人数多くねえんだよな」 「まあな」 「じゃあキャンセルしちまえよ」 「できるわけないだろ、お誘い受けたんだぞ」 「いや、いいと思う、今日は誰が来ることになってる?」 先輩は、来る人を話した。 「じゃあ、一番年配者という事で、この人に、もしもし、四井です、本日はありがとうございます、実は、今日、生徒がですね調子が悪くなりまして、洋食より、和食に、はい、出来ましたらお願いできますでしょうか、はい、ではロビーで」 よし、下に戻るぞ。 どういうこと? 向こうに、わからなように、さりげなく変えることで、どっちも嫌な思いをしなくていいという事、さすがー。
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