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浮遊霊リリカ
部屋の中からすすり泣く声が聞こえて来る。
スッと扉を通り抜けて中に入る。
「リリカ……。ごめんね。気付いてあげられなくてごめんね……」
「ごめんな。リリカ……」
私が死んだ後も部屋の中はあの日と同じまま。
私が大切にしていたクマのぬいぐるみをきつく抱きしめながら泣き崩れるお母さん。
壁に寄りかかり手のひらで目元を覆って声を出さずに涙を流すお父さん。
その部屋の中に私の姿はない。
私は中3の7月に死んだ。
夏休みまであと少し。
でも、その数日間を私は耐えることができなかった。
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